続・前赤壁賦を臨書して(2)蘇軾の意を読む

2.今、曹孟徳はいづこに

釈文:「而今安在哉。況吾与
    子、漁樵於江渚之上侶魚
    之上、蝦而友糜鹿」

書き下し文は「而るに今安(いず)くにか在る。況んや吾と子と、江渚(こうしょ)の上(ほとり)に漁樵し、魚蝦を侶(とも)とし糜鹿を友とし」

鑑賞:「安」の一画めは筆をぐっと入れて深くあたり、終画は刺すように広やかである。対照的に「況」の終画はやわらかい。

現代語にすると、「しかし、今曹孟徳はどこにおられるのだろうか。まして私とあなたは、江の岸辺で魚をとり、薪をとって、魚やエビを仲間とし、鹿を友として」

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社