逢瀬を重ねた思い出の地・北山は(8)建礼門院右京大夫集を書いて
8.二人で見た庭は
釈文:「跡をだに 形見にみむと 思ひしを
さてしもいとど かなしさぞそふ」
選字は、「跡を多耳形見爾み無と於本ひし越さて志毛
いとヽ閑奈し佐處曽婦」
歌意は、「二人で見た庭の跡を形見と思い訪ねたけれど、あふれる思いに悲しさが
一層つのります。
思い出の地・北山の庭は今や荒れ果ててしまい、美しかった景色を思い出して、
つらくなるばかりの作者です。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社