蘇軾・秋の清々しさを詠う(1)和分與可洋川園池うち二首
1.何紹基とは
何紹基が、蘇軾の詩「和文與可洋川園池三十首」うち二首を書いている作品が上海博物館に所蔵されています。
何紹基(1799〜1873)は、漢隷を習い、碑派の雄です。が顔真卿法に基づく行草は、卓越した技術と評されます。筆を逆から入れて運ぶ「逆入平出」用筆は包世臣が主張したものですが、蔵鋒の起筆は味わいがあります。
周晋漢、六朝隋唐にわたり、研究を怠らず親しく学んだおかげで、飄逸の妙味があります。各体とも懸臂(肘を上げ)廻腕(腕から動かす)技法で書いたと言われています。
線に緩みがなく、風気がある書線の趣はやすやすとは表せないものです。
参考文献:書の古典美 飯島春敬著 書藝文化新社