蘇軾・秋の清々しさを詠う(2)和分與可洋川園池うち二首

2.朱色の欄干

蘇軾作 何紹基書 祥香臨

朱蘭畫柱照湖明
 白葛烏紗曳履行


書き下し文は、「朱蘭 画柱 湖を照らして明かなり
        白葛 烏紗 履(くつ)を曳いて行く」

「朱蘭」:朱塗りの欄干
「画柱」:色を施された橋桁を支える柱
「照湖明」:湖面に光り輝くほど美しい

「白葛」:白の葛布(緯糸に葛の繊維と用いた布で、質が強く水に強い布)
「烏紗」:黒い紗の帽子
「曳履行」:靴を引きずって歩く

彩豊かな、夕暮れの光景に読者を連れて行く冒頭です。
 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社