うぐいすの声にいざなわれて(7)和漢朗詠集を書く

7.異なる種類でも

釈文:「異気而終混、龍吟魚躍之伴暁啼」

書き下し文は「異気を会して終に混ず 龍吟魚躍の暁の啼きに伴ふ」

鑑賞:「異気を会して」龍や魚は鳥とは種類が異なる。「龍吟」笛の音は龍のなく声に似ている。(『文選』長笛賦)

『本朝文粋』十一、菅三品「鳥声管弦にひびく」詩序。

現代語にすると「龍が吟じ魚が躍るばかりの琴や笛の音が、うぐいすは鳥とは種類を異にする。音となって出会えば溶け合って美しく響き合うだろう。」

参考文献:和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫