うぐいすの声にいざなわれて(4)和漢朗詠集を書く

4.うてなのほとりに

釈文:「䑓頭有酒鶯呼客 水面無塵風洗池」白

書き下し文は「台頭に酒有りて、鶯客を呼ばふ 水面に塵無くして風池を洗ふ」

鑑賞:「䑓頭」うてな(台)のほとり、またはうてなの上。うてなは土を高く築いて物見台としたもの。

現代語にすると「台のほとりには酒宴の用意があり、鶯が客を招こうと呼んでいる。池の水面には塵ひとつなく、春の風が洗い清めたかのようだ。」

参考文献:和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫