真木の戸口に立ちながら(3)和泉式部日記を書いて

3.つれない人の心の

釈文:「あけざりし真木の戸ぐちに立ちながら つらき心のためしとぞ見し」

選字は「阿希佐り志ま支能戸久遅耳多ち奈可 羅徒ら幾こヽ露農多免しと所み類」

鑑賞:「真木の戸」は歌語(和歌を詠む場合に用いられる言葉・表現)男を許さない女の心情の象徴なので「ためし」という。

歌意は「昨夜はついに開けてもらえなかった戸口の前に立ち通して、つれない人の心の例をはっきりと見せつけられました。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社