春の尽きるころ朗詠したい(6)和漢朗詠集より

6.春を留めようと

釈文:「留春不用関城固 花落随風入雲」尊敬

書き下し文は「春を留めるに 関城の固めを用ゐず 花は落ちて風に随ひ 鳥は雲に入る」

鑑賞:「関城」関所や城門

現代語にすると「春をひきとめようとして、関所や城門で備えを固めても、役には立たない。花は落ちて風に乗っていくし、鳥は雲の中に入ってしまう。」

参考文献:和漢朗詠集 川口久雄訳注 講談社学術文庫