つごもりの日、しのび音のほととぎす(15)和泉式部日記より

15.つながりのお手紙さえも

釈文:「あさからぬ心のほどを、さりとも』とある、御返り、『まくるとも見えぬものから玉かづら とふ一すぢも絶えまがちにて』と聞こえたり。」

選字は「あ佐可らぬ心のほと越さりと裳と阿る御返利 『ま倶る登毛見盈ぬも能可ら玉か徒ら 度布非と春千も多満可遅に弖』と記こえ堂利」

鑑賞:「さ」は「いとおろかなるにこそ・・・」を受ける。「玉かづら」は「絶え」の枕詞。「繰る」「すぢ」「絶え」が縁語をなし、「「繰る」に「来る」が掛詞になっている。

歌意は「恋しさに負けたとおっしゃいますが、全くお越しになるご様子もないようですが。わずか一筋のつながりのお手紙でさえ、途絶えがちなのですから。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社