行きづまることと道が開けること(4)陶淵明・飲酒二十首其五より

4.歳月はせまり

釈文:「歳月相催逼 鬢邊早已白」
書き下し文は「歳月 相い催(うなが)し逼(せま)り鬢邊(びんべん)早くも已に白し」

鑑賞:「相催逼」せきたて迫る。「相」は助字。動詞の前に置かれ①動作・方向が双方向であることを表す。②動作・行為が相手に及ぶことを表す。訳出されないことも多い。この場合は②。

「鬢邊」は図版では「鬢髪」になっているが平仄の関係で「邊」をとる。

現代語にすると「歳月がせきたて迫り、鬢のあたりは早くもすでに白い。」

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社