行きづまることと道が開けること(2)陶淵明・飲酒二十首其十五より

2.我が家はひっそりと

釈文:「班班有翔鳥 寂寂無行跡」
書き下し文は「班班として翔鳥あり 寂寂として行跡無し」

鑑賞:「班班」明らかに。くっきりと。「寂寂」ひっそりと。「行跡」人の足跡。

現代語にすると「明らかに鳥が飛んで木々に集まるが、我が家はひっそりとして誰も訪れない。」

書の特徴:「班」横広がりの字形を両方の行に配慮しながら細い線で書いて調和が見られる。「翔」の下に小さく「鳥」をおき行の広狭がある。見ていてもリズムが感じられる。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社