心がはるか遠い境地にある(4)陶淵明・飲酒二十首其五より
4.山のたたずまいは
釈文:「山氣日夕佳 飛鳥相與還」
書き下し文は「山気 日夕に佳く 飛鳥 相い与(とも)に還(かえ)る」
鑑賞:「山氣」山の霊気。山のたたずまい。「日夕佳」夕暮れはとりわけ美しい。「飛鳥」空を飛ぶ鳥。「相與還」一緒に巣へ帰る。
現代語にすると「山のたたずまいは夕暮れはとりわけ美しく、鳥は連れだって巣へ帰る。」
書の特徴:「夕佳」「夕」の真下に「佳」をおき、一時のように配置している。次の「飛」は大きく展開しながら細い書線で動きがある。「鳥」はその下に包み込むように書いている。
参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社