心がはるか遠い境地にある(5)陶淵明・飲酒二十首其五より

5.ここにこそ

釈文:「此中有眞意 欲辯已忘言」
書き下し文は「此の中に眞意有り 弁ぜんと欲して已に言を忘る」

鑑賞:「此中」ここにこそ。「眞意」真のすがた。真理。「欲辯」言葉であらわそうとする。「已忘言」すでに言葉を忘れてしまう。

陶淵明の詩の中で最も有名な詩の一つである。住む場所に関わらず、心のありようでいわゆる世俗の中で暮らすことも、はるか遠い境地になる、と詠う。

現代語にすると、「ここにこそ、真理がある。でもそれを言葉にしようとすると、すでに言葉を忘れてしまうのだ。」

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社