撰者の定家より書き置いた歌を問われて(7)建礼門院右京大夫集から

7.七条院大納言とは

七条院大納言は、『新古今集』初出の歌人であるが、生没年は正確なことがわからない。中納言藤原実綱の女。母は参河内侍。初めは高倉天皇に支え、のち七条院の能坊となる。

建仁元年(1201)ころ、後鳥羽院の御所に召され、歌合にも列した女流歌人である。高倉天皇の女房だった頃、建礼門院右京大夫と親しかった。

以前に笛の名手であった高倉天皇の横笛を、心から称賛した作者に対して、「お世辞を言ったのだ」と天皇がたわむれたことに、むきになった折、書付をくださったのが、七条院大納言であった。

参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社