俊成の歌道、誉高く(3)建礼門院右京大夫集から
3.二条殿へ
釈文:「二条殿へまゐるべきよし仰せ事とて、範光の中納言の車とてあれば、まゐりて、文字二つ置きなほして、やがて気もゆかしくて」
選字は「二条 殿へまゐ流邊支よし仰せ事と弖 範光の中納言農車登てあれ者ま 井利て文字二つおき難本し天や可 弖賀も遊可し九て」
鑑賞:「二条殿」は後鳥羽院の御所。「藤原範光」刑部卿従三位範兼の男。
大意は「後鳥羽院の御所へ参上せよとの院のご命令だと言って藤原範光が車で迎えに来たので」
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社