父君を亡くされた平親長と贈答歌を(15)建礼門院右京大夫集より

15.夜半のなげきも

釈文:「思ふらむ 夜半のなげきも あるものを 問ふ言の葉を見るぞかなしき」

選字は「於も布らむ夜半の那介支毛阿るもの 越と婦言の葉を見流曽可なし支」

鑑賞:この歌は建礼門院右京大夫の「君がことなげきなげきのはてはては うちながめつつ 思ひこそやれ」の変化でありる。

現代語にすると「あなたは亡き人を思い、夜も眠れずに悲嘆に暮れておられることでしょうに、私を心にかけてくださる言葉を目にすることも悲しいことです。」

参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社