李太白仙詩巻を臨書して(2)蘇軾の書を

2.朝にひらく

釈文:「朝披夢澤雲、笠釣清茫々。」

書き下し文は「朝に披(ひら)く夢沢の雲、笠釣 清くして茫々たり。」

鑑賞:文字の代償に注目すると、「朝」に比べて「夢」は大きく、墨つぎをしていることもあり堂々と空間に広がりがある。現代の日本の書では墨継ぎの箇所ではあまり大きく書かないことが定石であるが、蘇軾は逆に墨を入れたところで、大書している。その対比も興味深いものがある。

参考文献:蘇軾集 二玄社