李太白仙詩巻を臨書して(1)蘇軾の書を

1.この詩巻の由来は

『李太白仙詩巻』は元祐八年(1093)七月、蘇軾が五十八歳のとき、汴京(中国河南省の古名)で道士の丹元子に出逢い、この道士が唱えていた李白の作と称する詩二種を授かり、それを書巻に認めたものといわれる。

蘇東坡の代表作の一つとして数えられる。詩の伝来には不思議な趣があり諸説あるが、書は蘇東坡のものとして古人も認めるところである。

巻末に金人の蔡松年、劉沂、高カン、蔡珪五家以下の跋があることも貴重である。

参考文献:蘇軾集 大野修作解説 二玄社