父君を亡くされた平親長と贈答歌を(12)建礼門院右京大夫集より

12.荒れるままの庭で

釈文:「秋の庭 はらはぬ宿に 跡たえて 苔のみふかく なるぞかなしき」

選字は「秋の庭者羅八ぬ宿爾あと多邊弖 古希能見ふ可九なる處か奈しき」

鑑賞:この歌は底本にはなく、諸本によって補い入れている。

現代語にすると「秋の庭で不要なものを取り除いたりせずにいるわが庭では訪れる人もなく、苔ばかりが深くなるのは悲しいことです。」

参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社