辯才老師へ贈った詩を臨書して(10)蘇軾の書

10.真珠が還るように

釈文:「来如珠還前
    魚鼈争駢頭」

書き下し文は「来ること 珠の前に還るが如く
       魚鼈 争いて頭を駢ぶ」

鑑賞:「珠還前」珠は真珠。後漢の時代、合浦郡(現在の広西チワン族自治区合浦県付近)の沖合で明珠が取れたとき、貪欲な長官がそれと奪い取ろうとしたところ、珠はベトナム北部へ移ってしまった。後任の太守が改めたため、一年も立たずに戻ったという。『後漢書』

現代語にすると「来れば、真珠が海辺に戻るように、魚やカメが頭を並べて歓迎する。」

参考文献:蘇東坡詩選 山本和義選訳 岩波文庫