辯才老師へ贈った詩を臨書して(9)蘇軾の書

9.龍が山を登るように

釈文:「去如龍出山
   雷雨巻潭湫」

書き下し文は「去ること 龍の山に出づるが如く
       雷雨 潭湫を巻く」

鑑賞:「潭湫」は深い池。龍は深淵に住むとされることから。

現代語にすると「行けば、龍が山上に登るようであり、雷雨が深い池の水を巻き上げる」

書風:「去如龍」では墨を入れた「去」は重心を下げるように下部を重目である。「去」で思い切って左へ横画を伸ばし「龍」はその下へ位置する。

参考文献:蘇東坡詩選 山本和義選 岩波文庫