辯才老師へ贈った詩を臨書して(7)蘇軾の書

7.きりっとした老師は

釈文:「惟此鶴骨老
    凛然不知秋」

書き下し文は「惟だ此の鶴骨の老 凛然として秋を知らず」

鑑賞:「鶴骨老」辯才老師をさす。鶴骨は体が痩せているさまをいう。「凛然」もともとは寒気が激しく身にしむさま。ここではきりっと凛々しいさま。

「秋」は季節ではなく年のこと。

書風:蘇軾は横画に特徴がある。ここでは「然」の終画と「秋」の二画目である。横画を張り出すことで、リズムを作り流れが感じられる。

参考文献:蘇東坡詩選 山本和義選訳 岩波文庫