辯才老師へ贈った詩を臨書して(6)蘇軾の書

6.月日は

釈文:「眉山蘇軾上 
    日月轉双轂
    古今同一丘」

書き下し文は「眉山の蘇軾上る。日月双轂を転じ、古今 同じく一日たり。」

鑑賞:「日月一句」月日が際限ない循環であることをいう。「轂」は車のこしき。「古今一句」古今を今古に作るテキストもある。

書風:「日月」は平静に始まり、「轉」は左へ働きかけリズムを作っている。「双」の旧字であるが少しとぼけたような時間の取り方が面白い。こうした軽い風が通るような漢字をさりげなく書くところが蘇軾らしい。

現代語にすると、「日月はふたつのこしきのように循環し、古今は一つの丘に棲むむじなに似て変わらない。」

参考文献:蘇東坡詩選 山本和義選訳 岩波文庫