行草書巻・董其昌を臨書して(3)羅漢賛より
3.迷えばすなわち

釈文:「迷即鑚紙。此修
慧者。我法王子。」
書き下し文は「迷えば即ち紙を鑚(き)る。此の修慧者は、
我が法王の子。」
鑑賞:「鑚紙」「金」偏で墨を入れたものの、旁の「賛」ではす
でに薄くなったが、そのまま「紙」は筆の先を用いて運
んだので右の余白へ働いている。
「修慧」は仏語。三慧(さんえ)の一。実践修行によって得
られる智慧。
「王」は極めて小さくし、「子」は伸びやかに横角を広げ
て、行の広狭を出している。
参考文献:董其昌集 二玄社