続・前赤壁賦を臨書して(15)蘇軾の意を読む
14.酒の肴も尽きて
釈文:「肴核
既盡杯盤狼藉相与枕
藉乎舟中不知東方之既
白」
書き下し文は「肴核(こうかく)既に尽きて、杯盤狼藉たり。相い与に舟中に枕藉(ちんしゃ)して、東方の既に白むを知らず。」
現代語にすると「酒の肴も尽きて、杯や皿が入り乱れたまま、舟の中でお互いに寄りかかりつつ眠ってしまい、東の空が白んできたのに気づかなかった。」
鑑賞:「杯盤狼藉」杯や皿が乱れているようす。字の大小と向きが互いに変わり調子が妙である。
参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社