続・前赤壁賦を臨書して(14)蘇軾の意を読む

13.私とあなたの

釈文:「而吾与子之所共(食)適客喜
    而笑洗盞更酌」

書き下し文は「而して吾と子との共に適するところなり、」と。客喜びて笑い、盞(さかずき)を洗いて更に酌む。」

現代語にすると「『そして私とあなたとが共に心にかなうものです』と。これを聞いて客人は喜んで笑い、さらに酒を酌んだ。」

解説:本文では「食」であるが、「適」であり、心にかなうの意味。

鑑賞:「食」は体を右へ開いた格好であり、「喜」は左へ働きかけてバランスをとり、動きが感じられる。

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社