続・前赤壁賦を臨書して(13)蘇軾の意を読む
13.これらはいくら取っても
釈文:「取之無禁、用之
不竭是造物者之無盡藏
也」
書き下し文は「之を取れども禁ずる無く、之を用うれどもつきず。是れ造物主の無尽蔵なり。」
現代語にすると「これはいくら取っても誰にも禁じられないし、いくらこれを使っても無くならない。宇宙万物を作ったものの尽きることのないものと言えるでしょう。」
鑑賞:「造物者」の「者」が左の余白へ働きかけ、「無尽蔵」の「蔵」では右へ意を凝らしている調和の取れた運筆である。
参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社