前赤壁賦を臨書して(14)蘇軾の意を汲む

13.あの辺りは

釈文:「此非孟徳
    之困於周郎者乎。方其破
    荊州下江陵順流而東也」

書き下し文は「此れ孟徳の周郎に困しめられし者に非ずや。
其の荊州を破り、広陵より下り、流れに順って東するに方(あた)りてや」

鑑賞:「破」行末に置かれた文字は右の「徳」と呼応して背中合わせに均衡を保っているようにみえる。その揺るぎない終画は次の行へつながっている。

現代語にすると、「あの辺りは、曹孟徳が周郎に悩まされ、敗れたところではないですか。彼が荊州を破り、江陵から長江を降り、流れに沿って東に進んだときに」

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社