前赤壁賦を臨書して(10)蘇軾の意を汲む
10.龍をも舞う
釈文:「舞幽壑之潜蛟、泣孤
舟之嫠婦。」
書き下し文は「幽壑(ゆうがく)の潜蛟(せんこう)を舞わしめ、孤舟の嫠婦(りふ)を泣かしむ。」
鑑賞:「幽壑之潜蛟」深い谷にひそんでいる竜の一種である
ミズチ。
「孤舟之嫠婦」一艘の船に乗る寡婦(夫に先立たれた
女性)
大意は、「その音色は谷の奥深くに潜んでいる龍をも舞わせ、夫に先立たれて一艘の舟を守る女性をを涙させるほどであった。」
参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社