蘇軾にみる精神性(4)黄州寒食詩巻より

4.私が黄州に来てから

黄州寒食詩巻 蘇軾筆 祥香臨

それでは漢詩を見ていくと、詩形は五言古詩である。
釈文:「自我来黄州
    已過三寒食」

書き下し文:「我 黄州に来たりしより
       已に三たびの寒食過ごせり」

現代語にすると、「私が黄州に来てから、
         もう三度目の寒食を過ごした。」

鑑賞:文字が一字ごとに変化をして動きがある。体の傾きを変えるように「来」は左へ「黄」では右へ重心を移しているようである。「過」はおおらかでのびのびとした字形である。

参考文献:蘇軾集 二玄社