涙がとめどなく流れて(3)建礼門院右京大夫集にて
3.涅槃会では
釈尊入滅の二月十五日は涅槃会が行われます。
釈文:「ニ月十五日、涅槃会とて、人のまゐりしに、笹はれ
てまゐりぬ。行ひうちして思ひ続くれば、釈迦仏の
入滅せさせ給ひけぬをりのこと」
選字は、「二月十五日涅槃会とて人農ま井里し爾
さ所者れて万ゐりぬ行日う地事て思ひ
徒こ久連者釈迦仏の入滅せ佐勢多ま比介無
を梨のこと」
大意は、「二月十五日涅槃会に人が参詣するのに、誘われて
私もお参りしました。お勤めをして思い続けてい
ると釈迦仏のお亡くなりになった時のことで」
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社