建礼門院を訪ねて歌を詠む(6)建礼門院右京大夫集から

6.嘆きつかれて

建礼門院右京大夫集 祥香書

釈文:「なにごとにつけても、世にただ、なくもならばやとのみおぼえて、

   なげきわび わがなからましと 思ふまでの
   身ぞわれながら かなしかりける」

選字は、「な爾こ登につ希て毛世二多ヽ奈久も那
     羅者やとのみ於本えて

   那希支わ比王可な可羅ましと思ふま
   傳農身楚わ連那可ら閑奈し可梨介る」

大意は、「様々なことから、ひたすら亡くなってしまいたいとだけ思って
    嘆きつかれ、その果てにいっそのこと亡くなってしまいたいと
    思うまでになったわが身が悲しいのです。」

 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社