心をのびのびと解き放し(3)荘子を書きながら
3.善悪にとらわれず

心を自由に遊ばせて、
「託不得已、以養中、至矣、何作為
報也、莫若到命、此其難者」
書き下し文は、「已むを得ざるに託して、以て中を養うは、至れり。何をか作為
して報ぜん。命を致すを為すに若くは莫し。此れ其の難き者な
りと。」
現代語にすると、「人間ではどうにもできないものに身をまかせて、中道を保つ
のが最上です。何かいろいろと作為をして報告する必要があ
るでしょうか。主君の命をそのまま伝えるのが第一です。こ
こが難しいことなのです。」
「養中」は世の中の善悪にとらわれない中道のことです。世間で、良い悪いと言われることは、変わり得るものです。それに執着しては、本来の姿を見失ってしまう
かもしれません。
参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波文庫