心をのびのびと解き放し(2)荘子を書きながら

2.できあがるのには時が必要

荘子 祥香書

無理に成功をしようとしては事を危うくする、とありました。なぜでしょうか。
美成在久、悪成不及改、可不
 愼與、且夫乗物以遊心


書き下し文は、「美の成るは久しきに在り、悪の成るは改むるに及ばず。慎し
        まざるべけんや。且夫れ、物に乗じて以て心を遊ばしめ」

現代語にすると、「立派なことができあがるのは時がかかりますが、悪いこと
         は改める暇もないほど早いのです。慎重にせずにおられる
        
         でしょうか。そもそも物事のうつりゆきに任せて自分の心を 
         のびのびと自由に解き放し」

物事が移り変わっていくことをそのままにして、そこに自らの心を乗せて、のびやかに解放する、とはどういうことでしょうか。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波文庫