生きていられそうもないけれど(2)建礼門院右京大夫集から

2.あまりに動揺して

建礼門院右京大夫集 祥香書

夢に見た光景にあまりにも動揺した作者はしばらく熱が出てしまいます。
 「あまりさわぎし心ちのなごりにや、しばし身もぬるみて、心ちも
  わびしければ、さらばなくなりなばやとおぼゆ。」

選字は、「あま利佐王支し心遅の奈
     こりにや志者四身もぬる見て
      
     心ち毛わひし希れ者さら八
     な久奈り難者やとおほゆ」

気分もすぐれない作者は、それならばいっそ亡くなってしまいたいと思いつめ
ます。
 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社