江南の春・杜牧(2)漢詩を書く

2.見渡せば

杜牧詩 祥香書

承句:
水村山郭酒旗風

書き下し文は「水村山郭酒旗の風」

鑑賞:「水村」水辺の村。水郷。
   「山郭」山あいの村

   「酒旗」酒屋のしるしとして店頭に立てた旗。さかばた。昔の中国の風俗。
      「入日をまねく酒旗の春風/一鉄」(談林十百韻)
      「はぜ釣りや水村山郭酒旗の風」(嵐雪)など俳諧に作例がみられます。

       元来は天道に掲げるのぼり旗で、唐・宋代酒店は青い布の旗を揚げた。

現代語にすると、水辺の村、山あいの村には居酒屋の店頭に立てた目印の旗が風に吹か
        れています。

 参考文献:書で味わう漢詩の世界 石川忠久著/吉澤鐡之書 二玄社