松のように志を高く持って生きよう(3)米芾「擬古」より

3.風になびくかすみのように

荘子 擬古

 「秋花 起絳烟
  イジ 雲綿殷」

書き下し文は、「秋花 絳烟起こり イジとして雲綿殷(あか)し」
「絳烟」:紅いもや
「イジ」:旗などがはためくさま

「雲綿」:朝のかすみ
「殷」:赤い

意味は、秋の花は赤いモヤのように咲き、なびく朝のかすみように次第に赤くなる。
それは移ろいゆく季節とともにやがて枯れてゆくと暗に告げています。
米芾の書は俯仰法といわれ、筆の異なる面を使い、慎重に筆を進めていることが窺えます。

 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社