松のように志を高く持って生きよう(2)米芾「擬古」より

2.枝や葉を伸ばしながら

米芾 擬古

米芾の書は、蘇東坡や黄山谷が顔真卿や懐素を学んだのに対して、王義之・献之に親しみを覚えて献之より多くを得ました。

 「種種出枝葉
  牽連上松端


書き下し文は、「種種に枝葉を出だし 牽連(けんれん)して松端に上る」

「種種」:いろいろ。さまざま。
「牽連」:連なり続くこと。

意味は、いろいろに枝葉を伸ばして、連なって上の端まで上っていく。
青々とした松の葉が、冬でもその姿を変えずにいる姿に、人の生き方を見るのでしょう。
米芾の書風は、先人の長所を生かし、我が道を行く風情があります。

 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社