蘇軾・秋の清々しさを詠う(6)和分與可洋川園池うち二首
6.横湖
五行目から見ていきます。
「貪看翠蓋擁紅粧
不覺湖邉一夜霜」
書き下し文は、「貪り看る 翠蓋の紅粧を擁するを
覺えず 湖邉 一夜の霜」
「横湖」白い布を横に広げたように見える湖
「貪看」見とれること
「翠蓋」はすの青々とした葉。緑のかさ。
「紅粧」紅の化粧。または化粧をした美人。ハスの花をさす。
「不覚」目が覚めない。
ハスの花を化粧をした美人に喩えて、緑の葉を傘に見立てています。ハスの大きな葉は、雨もしのげそうに思えます。
参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社