蘇軾・秋の清々しさを詠う(7)和分與可洋川園池うち二首

7.霜が降りたのに気づかない

蘇軾作 何紹基書 祥香臨

書き下し文は、「貪り看る 翠蓋の紅粧を擁するを
         覚えず 湖辺 一夜の霜」

意味は、蓮の葉を傘のように、さしかけてもらい、紅の化粧をした美人に見とれていたら、湖畔で一夜を明かしてしまい、霜が降りたのにも気づかない。

「翠」は縦画を伸ばしてスッとした姿を見せて、「蓋」では内に力を込めたように重厚です。「紅」の化粧は、さわやかにほっそりと書き、思いもかけない驚いた風情を「覚」で表しているようです。

「一夜」でしっかりと墨をつけて広げ、「霜」を包み込みます。「一夜霜」は簡潔で美しい表現です。
 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社