「出師表」諸葛孔明(3)小楷を臨書する
3.真心からの進言に
「不宜妄自菲薄 引喩失義
以塞忠諫之路也 宮中府中 倶為一体
陟罰臧否 不宣異同
若有作姦犯科 及為忠善者
宜付有司 論其刑賞
以宣偏私 使内外異法也」
祝允明は、鍾繇の風韻をもって書したと思われます。鍾繇は楷書に秀でていましたが、以前取り上げた「書譜」に記述があります。
「楷書は、点画が本体であって、筆の使い方が性情となる。(・・・中略)鍾繇や張芝は特別で、それぞれ楷書と草書の一体に精力を集中してあれだけの妙趣を出すことに成功した。
鍾繇は楷書の点画の中に縦横の筆の働きを見せている。彼らより後の書家は楷書や草書の一方に両方の良さを取り入れることができない。」*①
書譜は、今から約千三百年前に書かれたが、現代にも通ずるものがあります。楷書や行書までは親しむ機会があっても草書は読むことも難しいでしょう。
参考文献:書譜 今井凌雪 二玄社