世間から取り残された自分は(2)漢詩を書く

2.川面に夕陽が

韋応物詩 祥香書

黄河に入ってからの情景が詠われます。
 「寒樹依微遠天外
  夕陽明滅亂流中


読み下し文は、「寒樹は依微たり 遠天の外
        夕陽は明滅す 乱流の中」

意味は、寒々とした木が遠い空の向こうにぼんやりと見え、夕日がキラキラと流れ砕ける川面に光っている。

董其昌は、行間を開けて、疎に書くのですが、少し詰めて書いています。「中」は思いっきりよく伸ばして余韻を感じます。

 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社