世間から取り残された自分は(1)漢詩を書く

1.韋応物の漢詩を

自鞏洛舟行人黄河即事寄府県僚友 韋応物 祥香書

「鞏洛より舟にて行きて黄河に入り事に即して府県の僚友に寄す」
韋応物の七言律詩です。建中四年(783)、赴任するため舟で洛水から黄河に入ったときに詠った詩。

「夾水蒼山路向東
 東南山豁大河通」

読み下し文は、「水を夾んで 蒼山 路 東に向かい
        東南 山豁毛て 大河通ず」

意味は、洛水を東に向かっていると、川をはさんで青い山々が連なり、東南の山が開けたとき黄河に通じていた。

上の韋応物の詩の二句三句を董其昌が書いていたことに倣って他の句を書いています。
 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社