庖丁を持つと(3)荘子を書く
3.君子は感嘆して
その料理人の包丁さばきを見た文惠君は感心してこう告げます。
「文惠君曰、譆、善哉、技蓋至
此乎、庖丁釋刀對曰」
意味は、文惠君はそれを見て感嘆して言いました。「ああ立派なものだ。技もここまで至るものか。」庖丁は、牛刀から手を離して答えました。
庖丁は、料理人こと。丁は人名。
読み下し文は、「譆(ああ)、善いかな。技蓋し此に至るかと」
料理人が料理する様子を見ただけで、見事のものだ、と君子が感心するほどの技とは、一体どういうものでしょうか。
でも、それは技だけではないのです、とその料理人は答えます。
参考文献:荘子 金谷治校注 岩波書店