腕はどう動かしていますか(4)書道を始めて

4.堤腕とは

堤腕とは、肘を机につけ手や腕を浮かす方法です。字を書く時、肘は机につけ腕は机に触れない書き方です。肘をつけるにしても軽く触れる程度にして、自由に動かせる範囲を確保します。

北宋、米芾の『堤筆法』には「蝿頭の小楷(ハエの頭のような小さな楷書)であっても腕(手首)を着けて書いては、筆端に指力はかかるが、び力(上腕の力)がかからないので、腕をつけない「提筆法」なる執筆で書くべきことをとく。」

わずかに、体の一部が机に触れることで、安心感と安定感が生まれるメリットがあります。とりわけ小さな字を書くときは神経を使います。

事前に筆を持たずにクルクルと机の上で回したり、筆に墨をつけずに感触を試してみることもお勧めします。腕の動かし方が軽やかになるようにご自分の感覚を確認するとよいでしょう。

 参考文献:用筆の基本技法 森高雲 木耳社