変わったことを知っている人(5)荘子を書く

5.荘子という人物

荘子は『史記』によると、姓が荘、名は周、字は子休といい、西紀前四世紀後半頃の戦国時代、生まれは宋国の蒙(河南)でした。青年時代には、漆園の役人であったが、仕官の心を棄て、生涯を思索と著述で過ごしました。

荘周が生きた時代は、儒家の孟子と同時代でした。小国である宋は他国の脅威にさらされていました。荘子は荘周の敬称ですが、出身はわかっていません。苦難にあえぐ人々や、そこから抜け出そうとしながら、結局は泥沼のような現実にまた戻ってしまう人々を目の当たりにしていたのでしょう。

当時、既成の思想は儒家や墨家などが主流でした。荘子から見ればそうした思想は、現実にとらわれた小手先の手段にすぎないと考えていたのです。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店