変わったことを知っている人(4)荘子を書く

4.六月の息とは

荘子

 「九万里其里去以六
  月息者也」

読み下し文は「(上ること)九万里、去るに六月の息なり」
ここで「六月の息」とは、六月は気が盛んであるから風が強い*①とあります。他に
六ヶ月飛び続けて休息する*②と解する文献もあります。

この後、斉物論篇に「其れ大塊のあい気は其の名を風と為す」とあります。
九万里もの高さを舞い上がってから、六月の強風に乗って飛び去るのです。

動きが想像以上に甚だしく、思えるのではないでしょうか。ここは、一つ常識の殻をも飛び越えて空へと旅することにいたしましょう。

 出典:*①荘子 金谷治訳注 岩波書店
    *② 郭象注(以下郭注)