変わったことを知っている人(3)荘子を書く

3.三千里の波

荘子

  「三千里搏扶
   揺而上者」


読み下し文は「三千里扶揺に搏ちて上ること」

「扶揺」はつむじ風のことで、『釈文』には「上行の風」「吹き上げる暴風」とあります。

内容は、「(波が高まっていること)三千里、激しいつむじ風に羽ばたきをして高く上がること」

「搏」は親しみのない文字ですが、「はく」と読み、打つという意味です。「而」は助字なので読みません。情景を思い浮かべると、途方もなく大きな鳥が波をバンと打って高く舞い上がっていきます。想像上の光景はいかようにも大きさを変化し、躍動していきます。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店