自然のいとなみを詠う(3)建礼門院右京大夫集から
2.あかつきの呼子鳥
題は、あかつきに人を呼ぶような啼き声の鳥
「夜をのこすねざめにたれを呼子鳥
人もこたへぬ しののめの空」
選字は、「夜を乃こ須年さ免耳多れ乎
よ布故とり人毛こたへぬ志の
能免の空」
意味は、まだ夜が明けないうちに誰を呼ぶのか、呼子鳥、答える人もいない明け方の空に。「たれを呼ぶ」と「呼子鳥」をかけています。
他にこのように「たれを呼ぶ」と「呼子鳥」をかけた歌が西行の山家集の中にあります。
参考文献:建礼門院右京大夫集 新潮社