雲の上にひかり見る-建礼門院右京大夫(1)
1.高倉天皇の中宮
中宮徳子のあでやかさに魅了される、建礼門院右京大夫の様子が描かれます。
釈文:「高倉の院御位の頃、承安
四年などいひし年にや、正月
一日中宮の御方へ、内の上わたらせ
給へりし、おほんひきなほし
の御姿、宮の御物の具召したりし
御さまなどの、いつと申しながら、」
高倉の院は、八十代高倉天皇。承安四年(1174)に高倉天皇は十四歳、右京大夫は十八歳でした。高倉天皇の中宮徳子は平清盛の二女で、当時は二十歳です。
宮仕えが始まり、見るもの全てに鋭い感性で興味を抱いて,華やかな宮中での日々をつとめていきます。
参考文献:建礼門院右京大夫集 新潮社